2022-01-01から1年間の記事一覧

どうしても、学校の中に教師教育学の素養を持つ先生が必要だ  初任研中学校国語現場からの報告(その15)

ある日「先輩の先生の中に、生徒の前に出過ぎる先生がいて、気になる。」という相談を受けた。 基本的には、その先生の行動が初任者の授業や、初任者と生徒の関わりに影響を与えることはない、と伝えた。 一方で、初任者が、「生徒を信頼すること」に明確な…

初任研中学校国語現場からの報告(その14) 支援員の立場で「省察」を試みる

初任者が「省察」を身につけつつあるとき、「省察」をもう一歩進めさせたいと、私は思うようになった。一度、省察をメタ認知できるようなことができればよいと考えたのだ。 学級の中の「特別に支援を要する生徒」と学校から認定(?)されている生徒がいた。…

初任研中学校国語現場からの報告(その13) 教師の意図、生徒の意図

初任研の校内授業研修も9月を過ぎることから、校内の授業研究会の中で、初任者の授業を検討する機会が出てくる。この際に「指導案」を提出するのだが、この作成の際に常に気になってしまうのが、「本時の学習過程(あるいは指導過程)」と言われる部分の、…

初任研中学校国語現場からの報告(その12) 目標の設定

初任者が、ある学習の目標設定を生徒にとっては高度だと思い込み、設定を下げてしまうことがある。ベテランの先生でも、「スモールステップ」と称して、知らず知らずのうちに学習目標を下げることが見られる。 この時に、生徒の学習に関する教師の予断がない…

初任研中学校国語現場からの報告(その11) 生徒の呼称

夏休みを終え、授業が再開された。 私が参観した授業で、生徒の呼称が気になって、指摘した。 それに対する初任者の返答は、次のような内容だった。 「さん」付けで呼ばれていると、自分が尊重されている感じなる。前の学校(関東方面の某大学の付属中)のベ…

初任研中学校国語現場からの報告(その10)

昨年、初任研(1年目研)で授業研修を担当した先生が、今年2年目研(2年目は初任者が自力で研修を進めます)で、MLA理論に基づいた授業研修で授業を公開して、大学の先生からコンサルテーションを受けたとのこと。「MLAの観点から、素晴らしい授業だ…

初任研中学校国語現場からの報告(その9) 教科での学習集団づくりと学級担任の集団づくりの齟齬

教科での学習集団づくりと学級担任の集団づくりの齟齬を感じたので報告する。 根本的には、学校の風土づくりにつながるのだが、初任者を育てる教師教育をてこにして、学校の風土を変えることにつながるのではないかと考え、投稿します。 昨年は、学年単学級…

初任研中学校国語現場からの報告(その7)  省察

「教師になろうとする人は、教室における自身の行動にそのような個人的な関心が与えている影響を見極めるための省察能力を十分自在に扱えるようになっていなければならない。」「学びのプロセスのより感情的な側面の異議を理解することは、教師になろうとす…

初任研中学校国語現場からの報告(その8)  意図と行為のギャップを埋める

「教師のためのリフレクション・ワークブック」では、「子どもに対する人権感覚をベースとした対人支援職としての専門性」を振り返る方策として、次の3つを上げている。 ①どのような思考・行動が必要であるかという知識や認識を深める学習 ②学生同士のコミ…

初任研 中学校現場からの報告 その6

授業をしている中で、教材にしている印刷物の裏側を見ている生徒がいて、学習に集中していないようで心配になったが、声をかける機会を失って、働きかけはしなかった、という振り返りがあった。 いくつかの可能性が考えられるが、初任者は「生徒の思考の流れ…

技術以上に考え方ーー初任研現場からの報告(その5)

初任研中学校現場からの報告(その5) 技術以上に考え方 初任者もある程度の経験を積んだ先生も、『学び合い』などのアクティブ・ラーニングの考えに基づいた授業は、高度な教育指導の技能や技術が必要と思い込んでいる。これは、「教師は教えられたように…

教えることを我慢する――初任研現場からの報告(その4)

初任研中学校現場から (その4) 「教えることをがまんする」視点を初任者が得ることで、大きな授業改善の足掛かりとなった。それは同時に、初任研指導担当にも跳ね返ってきた。 昨年担当した、ある初任者は、2回目の研修で、指導担当の示範授業を参観した…

気になる生徒――初任研現場からの報告(その3)

初任者研修現場からの報告(中学校国語)3回目です。 今回は、「気になる生徒」。 昨年は、3校を担当したが、すべて6月1日からだった。一つには、指導教員の人材不足。どの学校も、国語教師は学校に一人という小規模校。(今年は、2校だが、複数の教員…

初任者研修 現場からの報告(その2)

初任者研修の現場から報告 第2弾です 昨年、学級の生徒が2名という状況での初任研を担当した。 初任者も私も、極めて少ない人数の学級で、生徒を「主体的対話的で深い学び」に導くにはどうしたらよいか、悩んだ。 「せめて、10人、20人の学級だったら…

初任研現場からの報告 その1

宮城県の初任研の授業研修の担当としてかかわっている。 週に一回、初任者の学校に赴き、授業研修を行う。 どの学校でも、1コマは初任者の授業実践、1コマは初任者による(主に)指導教員の授業参観を行うことになっている。 第一日の授業研修では、次のよ…

「クライシス・マネジメントの本質 本質行動学による3・11大川小学校事故の研究」(西條剛央著 山川出版社刊)を読んだ。 一気に読んだ。素晴らしかった。 これまで、僕は一歩間違えれば、僕のいた学校も3・11のときに、大川小学校のような悲劇が起きた…

「少年の日の思い出」構成表(参考資料) 結 一五六ページ一行目~一五八ページ十一行目まで 物語の終わり 事件があってから、二〇年近くたったある日の夕暮れ 客=友人=彼 語り手=私 起 一五八ページ十二行目~百六十一ページ十三行目 「客」が語り手にな…

振り返りの例 振り返り1 振り返り2