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3-3質問づくりの授業の流れ
1コマ目
1-1目標の確認(資料3-2 リフレクションシート)
ペアになって、目標を読みあう。2回繰り返す。方法はペアに任せる。
1-2通読
東書の朗読CDを使用
1-3「少年の日の思い出」の構成について、教師の見解を示す。(参考資料1)
※この見解は、「分析批評」の手法をもとに導き出した。教材研究については、参考資料2を参照。
1-3漢字の練習、ドリル
教材の漢字を練習し、ドリルできるプリントを配布する。
時間内に、終わらない場合は家庭学習とする。
2コマ目
2-1質問づくりの授業を行うことを宣言。
質問づくりの7つの段階を示した、プリントをもとに、それぞれの段階について説明。(参考資料3)
2-2質問づくりの第1段階
「質問の焦点」については詳しく学習せず、今回は教師側から提示した。この焦点を示すまでに教材研究の追加研究(参考資料4)を行っている。これは、教師による発問づくりである。
「質問の焦点」は、「『僕』は罪を償うことができなかった。」にした。
少年の「一つ一つ取り出して」チョウを「潰す」という衝撃的な行為に焦点を当てたかったからである。
3コマ目(質問づくりの第2段階)
3-1質問づくりのゴールを示す
まず、この学習では、最終的にレポートを作るということを説明した。レポートを完成させることがゴールの姿であると生徒に話した。(行動目標、あるいは言語活動である。)
このレポートづくりを支える学習目標は、すでにリフレクションシートで示してある。
次に、質問づくりの第2段階から第6段階までを簡単に示したプリント(参考資料5)を配布した。質問づくりの道標のつもりである。ただ、このプリントは「7つの段階」のプリントやリフレクションシートと重複するところがあり、不要であったかもしれない。
3-2質問を作るうえでのルールを確認する。
参考資料5の「4つのルール」を読み上げる。
このルールでどれが難しいかを選ばせ、周囲の人に説明し、情報を交換し合う。ここは、『学び合い』で進めてもよいだろうが、あえて、あいまいな形にした。時間制限も厳格に設けず、話し合いがだいたい終わったかなというところを見計らって、終わりにした。
その後、「4つのルール」のどれが難しかったかを挙手で確認し、それぞれの生徒から意見を聞いた。
これは、下手にまとめず、それぞれの困難を認識したうえで、工夫していくことで、「7つの段階」で示したような力がつくと説明した。
4コマ目(第3段階)
4-1なるべくたくさん質問を集める
ここから、全面的に『学び合い』に入る。
このコマでの課題は、
「なるべくたくさん質問を考えます。自分で十分できたと思ったら、他の人に説明します。納得させられたらサインをもらいます。その時に、相手の人の質問もメモしましょう。
3人以上からサインをもらったら、クリアです。」
というものである。(参考資料6 質問の修正も示されている。)
5コマ目(第4段階)
5-1「閉じた質問」と「開いた質問」を解説する
質問を絞り込む前に、質問の修正を行います。
質問には、「閉じた質問」と「開いた質問」があります。
例えば、「総理大臣になる資格を持っている人は誰ですか?」という質問には、「国会議員」というのが正解で、それ以上広がることはありません。答えが一つしかないのです。これは、「閉じた質問」です。
しかし、「小泉進次郎」とか、「国民を引っ張る人」とか答えた人がいたとします。これは、先ほどの質問を、「総理大臣にふさわしい人は誰か?」と考えてしまったのでしょう。すると、先ほどの質問を「総理大臣にふさわしい人は誰ですか?」という形に変えると、様々な回答が出てくる質問になります。このように複数の答が出るような質問を「開いた質問」と呼びます。
今回は、レポートを書くという目的がありますから、開いた質問で攻めていくとよいでしょう。
(時間があれば、「閉じた質問」を「開いた質問」に直す練習をするとよい。)
5-2質問を修正する
自分が集めた質問に、「閉じた質問」があったら、印をつけます。
印をつけたものを、「開いた質問」に直します。
直したら、3人以上の人に説明します。説明された人が納得したらサインをもらいます。納得できなかったら、どこが納得できなかったかを聞き、修正して、サインをもらいます。
3人以上からサインをもらったら、クリアです。
6コマ目(第5段階~第6段階)
6-1質問を絞り込む(第5段階)
質問を修正したので、集まった質問はすべて「開いた質問」になりましたね。
その中で、これについて説いてみたいな、と思った質問を3つ選びます。それを選んだ理由を書いて、ほかの人に説明します。選んだ質問とその理由は、ノートに書きましょう。
ほかの人に説明して、納得してもらったらサインをもらいます。納得してもらえなかったら、どこが納得できなかったかを聞いて、修正してサインをもらいます。3人以上からサインをもらったら、クリアです。
(参考資料7)
6-2レポートを書く(第6段階前半)
クリアできた人は、レポートを書きましょう。
(第5段階が全員クリア出来たら、第6段階という、明確な区切りではなく、第5段階が終わった人から順次第6段階への移行、遠い形がよい。それぞれの作業の進行に合わせた学習が自然である。また、レポートに入る前にレポートの項立て(参考資料8)をプリントで示した。)
7コマ目レポートを書く(承前 第6段階後半)
8コマ目レポートを書く+振り返り(第7段階)
レポートが完成したら、リフレクションを行う。(資料4)
※「4つのルール」の難しさの確認や、「閉じた質問」と「開いた質問」の変換の練習は、初めての挑戦だから必要であった。この後続けていけば、質問の変換から絞りこみまではわずかな時間でできそうである。2回目以降は3~4時間短縮できる。